ご挨拶

精密工学会東海支部 支部長

小久保 光典(芝浦機械株式会社 R&Dセンター)

 

このたび,精密工学会東海支部の令和6年度(第72期)支部長を拝命致しました、芝浦機械株式会社 R&Dセンターの小久保です。日頃から精密工学会東海支部の活動にご理解とご支援をいただき深く感謝しております。

令和2年度(第68期)から令和4年度(第69期)までは,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより,東海支部においても活動の自粛や縮小を余儀なくされましたが,令和5年度には鈴木浩文支部長(中部大学生産技術開発センター)のもと,感染拡大防止に十分配慮しながら対面開催への移行が進められ,令和6年度には通常の活動ができるようになると思われます。今まで本当に普通のことと考えていた「日常」が「非日常」となり,思考や行動もネガティブになったしまった反面,リモート会議や会議時間の効率化など,これからも有効に活用できる手法があることに気づかせてくれた期間であったとポジティブに考えるようにしたいと思っています。

精密工学会は1933年(昭和8年)に精機協会として設立され,1947年(昭和22年)に精機学会,1986年(昭和61年)に精密工学会と改称し,「ものづくり」に関わる設計・生産システム、精密加工,メカトロニクス・精密機器、精密計測,人・環境工学,材料・表面プロセス,バイオエンジニアリング,マイクロ/ナノテクノロジー・新領域などを広範囲に探究しています。東海支部は,1953年(昭和28年)に全国で4番目の支部として発足し,現在では関西支部に次ぐ2番目に多い会員数の支部となっています。

東海地区は日本の「ものづくり」の中心地であり,自動車,航空・宇宙産業をはじめ,工作機械,金属・セラミックス材料,機械要素など有力な産業が盛んで,33社の賛助会員をはじめとして産官学から多くの方々に参加いただいています。産官学の方々が各自の知識と知恵をもち寄り,更なる産業の発展につながる場となればと考えています。

東海支部の主な活動として,2004年から毎年開催している「ものづくり実践講座」があります。本実践講座は精密な「ものづくり」に関わる第一線の講師陣による基礎的な講義と,実際の装置に触れて考える,実験装置を造る,プロセスを見る,解析を行うなどの実践教育を組み合わせることにより,基礎理論から実践的応用までを体験的に学習できる講座です。特に若手技術者には人気があり,毎年多くの企業の若手エンジニアに受講いただいており,今年度も8講座の企画を予定しています。

また,2014年度に設立した「東海支部学生優秀賞」では,東海地区の大学,工業高等専門学校から推薦された,精密工学分野の成績優秀かつ人格の優れた学生に対して,毎年各機関あたり1~2名の表彰を行っています。産業界の皆さまのご協力により,受賞した学生が希望する企業の特別会社見学会に参加できるという制度を設けています。受賞学生からは研究へのモチベーション向上と実際の先端・最新技術の体得できるといった高評価をいただいています。

今年度においても,講演会・見学会・講習会へのみなさまの積極的なご参加を期待しつつ,支部の財政の健全化を進めながら,コロナ後の支部運営を進めていきたいと思います。最後になりますが,皆様方のお力添えをいただきながら,この重要な責務を全うできるよう努めますので,なにとぞよろしくお願いいたします。東海支部としましては,これからも産官学の出会いの場を設け,東海地区の精密工学の発展ならびに産業への貢献を目指して活動をしてまいりますので,ご理解と積極的なご参加をお願い申し上げます。

 

過去年度の支部長ご挨拶 (2021年度より掲載)

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